歴史 読了
いわずと知れた、紀元前5世紀頃のギリシャ、エジプト、ペルシアの地理や歴史を物語風に記した、歴史の父とも称されるヘロドトスの作品。
- 作者: 松平千秋
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読んだきっかけは、今僕が夢中になっている(ええ、未だに夢中なんですよ!)映画300(スリーハンドレッド)なんだけど、あらためて、古典に直接触れる大切さを痛感しましたよ。まぁ、翻訳ですが。要約本とか解説書でわかった気になっちゃ、せっかく味わえたはずの感動を逃してしまってもったいない!
なぜこの作品が2500年の歳月を生き残ったか。読んでみれば、きっとわかります。そして、人間がいかに進歩していないかも。
映画300(スリーハンドレッド)との絡みで言えば、下巻、クセルクセス王のギリシャ侵攻部分の記述の厚みが印象的。その一環としてのテルモピュライの戦いについても、スパルタ王レオニダスの英雄的活躍への深い敬意が感じられて、静かに感動できます。
映画も、本書のいろいろな箇所からネタをとっていることがわかりました。不死部隊とか、300人隊、名前こそ違え、戦場で果てずして帰還した兵士*1が恥辱を与えられつつも、後年のプラタリアの戦闘で大いに面目をほどこすこととか。
また、スパルタを含むギリシア世界にとっての自由の観念が、比較的、現代日本人の考える自由のそれに近い(奴隷制などがある意味で本質的に個人を尊重するものではないとはいえ)ことも、やや意外の感も感じつつも、よく理解できました。
おおむね簡にして要を得た叙述がなされているのですが、一部、やや冗長な記述に疲れてしまう部分も正直、あります。しかし各所の記述がつながっていることが後でわかったりするなど、再読の際には2倍、3倍と楽しめそうな趣です。いつかまた、もう一度通読してみたいと思います。その前にたぶん、好きな部分だけ何度も読み返しそうだけど。
*1:歴史ではアリストデモス、映画では・・・内緒