ノルウェイの森 読了
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
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村上春樹の作品を読んだのは、これが初めてだ。レイモンド・カーヴァーやティム・オブライエンの翻訳は別として。何故か実家にあったので、借りてきて読んだ。
これは自殺した親友とその恋人や、奔放に見えて繊細な同級生らを相手に、自己主張のあまり無いスポンジのような大学生の主人公(男)が悩み苦しみ、そして成長する(したのか?)姿を描いた恋愛小説。
読みながら思ったのは「美少女ゲームのシナリオみたい」ってこと。主人公の個性がふにゃふにゃしてるスポンジみたい。そしてモテモテ。関わる女性たちがみな判を押したように問題を抱えており、他の男とはダメなのに、主人公にだけは心を許す。
主人公の様子が、庄司薫の「赤頭巾ちゃん気をつけて」とかぶる*1。いや、赤頭巾の方は十数年も読み返してないから全然見当違いかもしれないが、主人公の頭でっかち感、小賢しさ、それでいて純なところ。そういう青年を描きたかったのかな?
プロット的にやや、漫画チック。そこがいいのかもしれないが、残念ながら俺にはそこが笑えてしまって、ちょっとグッと来るものがなかったなぁ。