飲んだくれの記

方向音痴で熱しやすく冷めやすい、酒とラーメンの大好きなポンコツが綴る徒然の記。

スプートニクの恋人 読了

ノルウェイの森について以前「漫画チック」と評した僕ですが、似たカラーを持つこの作品にはヤラレました。ラストにジンと来た。最後の場面を読んだのがファミレスでだったんだけど、ちょっとなみだ目になってやいないかと、恥ずかしかった。


「僕」が好きな作家志望の大学の後輩、すみれ。彼女は17歳年上の女性、ミュウに激烈な恋をする。ミュウは彼女を自分の会社の秘書として働かせることになり、二人でヨーロッパに出張まですることになる。しかし、途中息抜きのためにやってきたギリシャで、それが起こったのだ・・・


僕はどこに感動したんだろう。世間と隔絶された印象の主人公たちのありようや、底知れない喪失感はノルウェイの森に通ずる。親兄弟の不在感もまた。そのあたりのファンタジックな雰囲気は、今でも少し苦手だ。
でもこちら、スプートニクの恋人の方には、どっしりと深い信頼と愛がある。「僕」とすみれとの。グラッときたのは、そこなのかな。


もうちょっと村上春樹氏の作品を読んでみたくなった。