僕が戦場で死んだら
- 作者: ティム・オブライエン,Tim O'Brien,中野圭二
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 1994/09
- メディア: 新書
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「本当の戦争の話をしよう」ほどの傑作ではないが、期待を裏切らない佳作。
ベビーブーマー世代の若く学もあるアメリカ人が、徴兵されベトナムの戦場に投げ込まれる。その過程で彼が何を見て、考えて、苦しんだか。主義主張を振りかざしたり抽象論を振り回したりするのでなく、やや不器用に等身大で物語る姿勢が深い共感を呼ぶ。かと思えば淡々とした描写の中に悲惨な描写もユーモアもそっと忍ばせてくるからたまらない。
魂の深いところをグッと鷲づかみにしてくるティム・オブライエン。出会えて本当によかったと思える作家のひとりだ。