願い星、叶い星 読了
- 作者: アルフレッド・ベスター,中村融
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2004/10/22
- メディア: 単行本
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「虎よ、虎よ!」のアルフレッド・ベスターの短編集。いずれも50年ほど前に書かれたものだが、総じて、古臭さは感じられない。
率直に認めます。
最初に収められた二編(「ごきげん目盛り」「ジェットコースター」)を読んでも、狐につままれたような気持ちでワケがわかりませんでした。熱い語り口で畳み掛けるようにしゃべっていた人が、唐突に語るのを止めて「どうよ?」とニヤリと微笑みかけてきたときのような、とまどい。え?今ので終わり?オチはどこ?みたいな。
しかも暴走したアンドロイドと、その持ち主とが共感してしまい、いつのまにか人格が同一化してしまう(?)「ごきげん目盛り」は自他共に認める短編最高傑作だそうで・・・うーん。SFとは難しいものだな。
しかしそれ以降に納められた作品は、比較的楽しめました。特にラスト二編、未来の年鑑を入手してしまった男と、それを取り返そうとする男とのやり取りを通じて、オーソドックスなタイムパラドックスを扱った「時と三番街と」。戦時下のイギリス、隠れ家の中でデカダンな生活を送るも、これにすっかり飽いた6人組(のうちの5人)が味わう、三者三様の地獄を描く「地獄は永遠に」。
えーっと。実はベスター読むのは初めてでした(汗)。「虎よ!虎よ!」も、今度読もうと思います。