飲んだくれの記

方向音痴で熱しやすく冷めやすい、酒とラーメンの大好きなポンコツが綴る徒然の記。

最後にして最初のアイドル 読了

その熱量と勢いとに圧倒されて、荒唐無稽な結論も笑って許せてしまう、セカイ系なSF作品。

 

最後にして最初のアイドル

最後にして最初のアイドル

 

 

第4回ハヤカワSFコンテストで特別賞を受賞したというこの作品、電子書籍でしか出版されてないようだけど、非常に値ごろだし、すぐ読める長さなので(小説内では長〜い時間が経過するが)、気楽に手にとってみてはいかがか。

草野原々『最後にして最初のアイドル』、電子書籍オリジナル版として22日(火)より配信開始!

 

出だしは、生まれついて以来アイドルを目指す少女の友情と挫折の物語。しかしやがてそれは急転、人類滅亡とアフターマンの冷酷かつハードなSF描写が、とんでもないスピード感をもって展開する。これのどこがアイドルなんだよ?という読み手のツッコミもものかは、悠久の「アイドル活動(苦笑)」の果てに主人公は、驚愕の結論にはたどり着く。

 そこに至るまでの、「地球の長い午後」を彷彿させるアフターマンの描写は、実のところかなり好き。対して、人間が繰り広げる容赦のない地獄絵図の描写は、食事どきには向かないと警告しておこう。

そもそもアイドルの定義がわからない中でアイドルとしての矜持を語る壮大なボケを、真顔で突き進めるコントのイメージかな。

 

タイトルからして、パロディの元ネタがあるのかもしれないが、勉強不足な僕にはわからなかった。あとで少し、ググってみるか。