飲んだくれの記

方向音痴で熱しやすく冷めやすい、酒とラーメンの大好きなポンコツが綴る徒然の記。

あたりまえのことをバカになってちゃんとやる 読了

あたりまえのことをバカになってちゃんとやる

あたりまえのことをバカになってちゃんとやる


最近、「ビジネスマンのための『数字力』養成講座」などのベストセラーを連発している、小宮一慶氏の著作。氏の人生訓を詰め込んだもの。タイトルだけで、本書の言いたいことの半分は網羅している気がする。


第一章では、先人たちの言葉をちょっとアレンジしただけの、抽象的でちょっと薄っぺらい印象があった。正直、ここで読むのを止めようかと思ったのだったが、第二章以降、ご自分の実体験をベースとした、やや凄みのある内容が続いたので、一気に読まされてしまった。


内容そのものは、奇をてらったもの、耳新しいものはほとんどない。しかしつい傾聴してしまうのは本文にもあるとおり、我々読者が、「理屈ではなく、心を受け取りたい」(P.85)ためであろう。


心に残った内容

  • ほめるとおだてるは違う。人の長所に着目して、ほめること
  • いつまでの会社の名前で仕事をするようでは、プロではない
  • 生業と天職。天職に昇華させるべきこと
  • 「もう一回生まれ変わっても、あなたはこの仕事をやりたいですか?」
  • 散歩している人も、富士山に登る人も、やっていることは同じに見えるが、結果が違う
  • オフの勉強なくしては、仕事の本質はわからない。本質がわからないと、仕事の幅は広がらず、人も伸びない
  • 1年で1回しか振り返られない人と、1年で365回振り返る人とでは、どちらの人生がうまくいくか
  • 人生は小さな決定の連続。だから、小さなことでも、ベストデシジョンだったかを必ず振り返るべき
  • 鬱々とすることは悪いことではない。ただし、この状態に慣れたり、あきらめたりしてはいけない
  • 成功するためには運やチャンスも大事だが、そのための準備が実は一番大事


こういう本は、同じことばかりを言っているようにも思えるが(いや、実際その通りなのだが)、繰り返し繰り返し、多様なバージョンの類書に触れ続けることによってそれらを自らの常識とし、血肉と化すことこそが、目指すべきことだと思う。