飲んだくれの記

方向音痴で熱しやすく冷めやすい、酒とラーメンの大好きなポンコツが綴る徒然の記。

フレフレ少女 読了

フレフレ少女 (集英社文庫)

フレフレ少女 (集英社文庫)


なんでも同名の映画のノベライズらしい。なぜか会社の僕の机の上に置いてあったので*1、読んでみた。


はたしてこれは、恥ずかしくなるくらい直球のスポ根ものであった。普通と違うのは、主人公が女子高生で、しかも紅一点の応援団長だということ。そのストーリーのあまりのストレートさに、単純そのものの僕は、最後の方は涙腺を刺激されまくってしまった。


現実の恋愛に全く関心のなかった筋金入りの文学少女が、突然スターである後輩の野球部員に恋をする。その彼を応援したくて、見当違いにもたった一人しか部員のいない応援団に入った彼女は、さっそく数名のはみ出し者たちを勧誘した結果、応援団長に祭り上げられてしまう。さっそく活動を開始するものの、しかしそのめちゃくちゃな応援のために、かえって試合の邪魔になり、野球部員たちから嫌われることに。しかも目当ての彼は、有名校に転校することになってしまった。
落胆する彼女たちは、応援団OBのおじさんの引率で、応援団の合宿に参加する。浮かれ気分の彼女たちを待っていたのはしかし、地獄の特訓。そこで彼女たちは悩み、挫折し、そして最後は見事に目覚める。吹っ切れた彼女たち応援団は、周囲から疎まれながらも自ら猛特訓を課し続ける。その真剣な態度はやがて周りを動かし、応援団は次第になくてはならない存在になっていく。そしてその盛り上がりは、転校した彼のいる強豪校との甲子園をかけた戦いを迎えて、ピークに達するのだった。


最初はユーモラスな内容だったのが、ラスト近くなると、その影がどんどん薄くなり、エラく真剣なトーンに置き換わっていく。応援団を、あくまでも硬派で真摯な存在として描いているのが、いっそ清々しい。


たまにはこういう本もいいかな。

*1:どうやらガッキー好きの同僚が置いたらしい