深夜食堂 1巻〜3巻
滋味ある人情ドラマが、食堂を中心に展開される傑作。出会えてよかった。
舞台は繁華街の片隅で深夜0時から朝7時まで営業している、通称「深夜食堂」。メニューにあるのは豚汁定食と飲み物だけ。だけど客が望めば、できるものなら何でも主人が作ってくれる。この、ひとりお店を経営するいわくありげな渋い主人を狂言回しに、やくざ、サラリーマン、オカマ、風俗嬢、いわくつきの親子連れ、などなど種々多様な人たちがこのお店に集い、出会い、別れ、それぞれの人生ドラマを展開する。
一話完結形式で、それぞれに味わいや感動がある。押し付けがましくなく、つつましく小さい幸せを描いているのに好感。心がほんのりと温かくなる話ばかりだ。
絵にまた味がある。一見ヘタっぽいシンプルな絵柄だが、その実、相当な画力が無いと描けない線だと思うのだ。「ショムニ!」を描いた天才、安田弘之氏の線に近いものを感じる。
早く続きが読みたい。4巻は、今年の夏発売らしい。待ち遠しい!
今週は立て続けの朝帰りと風邪で、すっかり体調と生活リズムを崩してしまっていた。おかげで夜寝られず、この日も24時を過ぎてから漫画喫茶に立ち寄って出会ったのが、この作品。深夜に出会い、読む「深夜食堂」。味わいもまたひとしお。元気が出た。(でも翌朝は起きれなかった)