飲んだくれの記

方向音痴で熱しやすく冷めやすい、酒とラーメンの大好きなポンコツが綴る徒然の記。

昨年末に読んだ本

いくつかまとめて。


TAP (奇想コレクション)

TAP (奇想コレクション)

「TAP」 by グレッグ・イーガン
僕の中で「世界最高のSF作家」の名をほしいままにしている、グレッグ・イーガンの短編集第4弾。収められている10篇すべてが面白いという、奇跡のような作品集。
本短編集では「宇宙消失」や「ディアスポラ」で魅せてくれるような、ハードSF的かつ奇想天外な大転回的アイデアは登場しない。半分がホラー。しかし、経験や感情、人間に対する違和感を内面からじっくり見つめ、言語化しようとするイーガンの語り口はいずれの作品においても健在だ。ああ、またイーガンが読みたくなってきた!!!


ドリーム・マシン (創元SF文庫)

ドリーム・マシン (創元SF文庫)

「ドリーム・マシン」 by クリストファー・プリースト
このブログでも何度も言及している、「奇術師(プレステージ)」「魔法」「双生児」「逆転世界」のプリースト作品の復刻。
ちょっと荒削りだけど、楽しめた。
20数名の男女が自らの空想の元に築き上げた「未来世界」に自らを投入する。その目的は、平和な「未来世界」が実現された歴史を未来で学んで帰ってくることで、現実の世界的危機を回避する方策を探る、というもの。何だかツッコミどころ満載な気がしてならない設定なのだが、プリーストの語り口と、夢と現実との境界を越えたアクロバチックな恋愛小説としての面白さに丸め込まれてしまったといいますか・・・。最後はプリーストお得意の、何が現実で何が空想かの境界が交錯し、曖昧になる、大ぼら話(ほめ言葉)。好きです、こういうの。


わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

「わたしを離さないで」 by カズオ・イシグロ
「○○○○を目的として○○られた○○○○たちの物語」。書いてしまったらネタバレになる。書きたいが、書けない。
主人公の女性による、幼年時代から現代までの回想。端整で淡々とした語り口の中に、何か違和感を抱きつつ読み進めるうちにやがて明らかになる、異常な世界の真相。そこで展開される友情、愛、性、裏切り。淡々としてエピソードの積み重ねが中心で、劇的な大転回が無いだけに、それぞれの持つ意味が、一層身に沁みる。
ラスト付近は哀しくて息苦しくて、金魚みたいに口をパクパクしながら読んだ。今思い出しただけで、なんか涙が出てきた。


「アカウンティング入門」 by 高田橋範充
現代の会計制度の変容のありようについては、特に簡にして要を得ている印象。ただ、基礎をまんべんなく解説するものではなく、やや特定のトピックに偏っている気がするのだが。その意味では、

本書を最後までお読みいただければ、アカウンティングについてご理解いただけると確信している

という記述は、少々誇張があるような気が・・・。


-1063人の収入を60日で41%アップさせた-目標達成する技術 ~どんな目標も達成できる「成功の心理学」~

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「1063人の収入を60日で41%アップさせた目標達成する技術」 by マイケル・ボルダック

アンソニー・ロビンスの会社でナンバー2として活躍した著者による、目標達成の技術。文句なしに素晴らしい。詳しくは、自分で読んでくれ。そして、実践しよう。