宇宙創世記ロボットの旅 読了
- 作者: スタニスワフ・レム,吉上昭三,村手義治
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1976/08
- メディア: 文庫
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長らく絶版となっている、故スタニスワフ・レムのあこがれの本を、ようやく読むことが出来ました！
図書館で予約できたんですよ。バンザーイ！
果たしてこれは期待を裏切らぬ逸品でした。惑星を簡単に壊すことすら出来る能力を持った二人の宙道士、お調子者のトルルと沈着冷静なクラパウチュスの、宇宙を股にかけての珍道中。「完全な真空」に見られるような諧謔、皮肉と批評精神で全編をつらぬいた、抱腹絶倒のファンタジー。
これだけの能力を持ちながら、報酬を前に簡単に目がくらむような人間らしさ（ロボットかアンドロイドだけど）を持つこの二人の魅力もさることながら、彼らを巻き込んで大事件を巻き起こす、各地の王や皇帝のハチャメチャぶり。とにかく楽しい。
僕のお気に入りは、トルルが創造した詩人「白楽天」（何とこいつを創り出すために天地創造のプロセスから始めにゃならなかったのだ！）。そして、目的無き知識の獲得と蓄積に夢中になるあまり、最後は役に立たない情報に溺れる悲惨な盗賊「馬面」。特に後者の状況が、現代のインターネットジャンキーの姿と恐ろしいほどに重なることには、戦慄すら覚える。やっぱりレムはすげぇ・・・
図書館の蔵書リストを見る限り、レムの絶版本はまだまだある様子。これは今後が楽しみだ！！！
