飲んだくれの記

方向音痴で熱しやすく冷めやすい、酒とラーメンの大好きなポンコツが綴る徒然の記。

ヨコハマ買い出し紀行 13巻 購入

ヨコハマ買い出し紀行 13 (アフタヌーンKC)

ヨコハマ買い出し紀行 13 (アフタヌーンKC)

極上の読書体験を味わえる、一番好きな漫画の一つ。
水没しつつある近未来の関東地方を舞台に、喫茶店を営むかわいい女の子ロボット、初瀬野アルファを中心に、その周りの人々との交流や出来事を描いた作品。
ゆったりと、ひたすらゆったりと進むエピソード群の積み重ねの中で、しかし確実に時は過ぎていく。年をとらないアルファさんの前を、人々は少しずつ成長し、通り過ぎていく。そうした失われていく時間に対する惜別の情が、声高にでなく静かに語られるのがたまらなく、いい。
タカヒロやマッキ、アヤセやココネ、そしておじさんといったキャラクターがそれぞれに、魅力的。特にタカヒロとマッキの成長ぶりは、彼らをずっと見守ってきた近所の大人のような気持ちにさせられ、感慨深い。
不思議な生き物カマスやミサゴ、人間みたいな石みたいな「白いもの」(水神様)、街灯そっくりな自然物、飛び立ったきり降りられない飛行機ターポンといった、風景を構成するSFチックでメルヘンな要素も素晴らしい。


連載10年目の本巻では、これまで以上に、過ぎ去った時の流れを思い起こさせるエピソードが多い。おじさんが自分のいなくなったあとを語ったり・・・
まったくの想像だが、連載終了が近いのだろうか。いつまでも続いて欲しい作品なんだけど。


今第1巻を見直してみたが、絵柄変わったなぁ。ドラえもんの絵柄の変遷と似て、どんどん丸っこく、かわいらしくなっている。俺は今の絵が、好きだ。