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飲んだくれの記

方向音痴で熱しやすく冷めやすい、酒とラーメンの大好きなポンコツが綴る徒然の記。

ライト、ついてますか 読了

読書

ライト、ついてますか―問題発見の人間学

ライト、ついてますか―問題発見の人間学


問題発見と解決についての本。


そもそもそれが誰の何の問題であるのか、を認識することの大切さ(=解決策に飛びついてはいけない)や、問題の解決はまた別の問題を生み出すという教訓、などなど、人生のあらゆる領域における「問題」と向き合う方法を考えるための多くのヒントを与えてくれる。


僕自身がこの本を読んでもっとも印象的だったのは、以下のくだりかな。

われわれは、可能な場合にはいつでも、問題をまず自分たちにとって最大の快適さをもたらすような意味レベルに置いてみるものだ。(本文70ページ)

つまりこれは、我々は問題を、「自分が見たいようにみてしまう」ということを示唆しているのだと僕は解釈した。そしてそれによる誤謬を防ぐためには、自ら問題文を変えてみて、どのように解答が変わるかを検証することが必要であると。
もしかするとこの解釈は微妙に著者の意図とずれているかもしれないが、少なくともそうした考えを僕の裡にドライブさせるだけの多くの示唆がこの本に詰まっていることだけは、間違いない。それだけで十分にこの本の存在意義はあるのではないか?


本書は、SIerであれば誰でも読んでいなければならない、教祖ともいうべきコンサルタントであるワインバーグの作品のひとつ。・・・の割には、この本は何年も僕の本棚に眠っていたのだけれども。昔読んだものも含め、今一度ワインバーグ作品を読み直してみようかと思っている。


本書の難点は、日本語の翻訳のひどさ。とにかく、読みにくい。人によっては、分からない理由を翻訳のせいにするなというかもしれないし、僕のほとんどの場合はそれに同意するものだが、それにしてもこれはひどい。上に引用した文だって、一体何人がこれを一度で理解できるというのか?周りの文脈があってすら、お世辞にも分かりやすい日本語とはいえない。果たしてこれが原文からしてそうなっているのかどうか、何が何でも原書を入手して、比較検証してやりたい気分だ。(USのAmazonで13ドルくらいで買えるようだ。今度注文しよう)


誰であれ、生きていく以上は問題に直面することを避けられない。本書は、そうした場合に役立つ、やや思索的な、しかし十分に実用的な良書であることは間違いない。
だが、この読みにくさを解消してくれないことには、人には勧めにくいというのが正直なところだ。