計画の科学 読了
計画の科学―どこでも使えるPERT・CPM (ブルーバックス)
- 作者: 加藤昭吉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1965/04/18
- メディア: 平装-新?
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プロジェクトマネジメントにおいて欠かせないPERTの基礎から実用、さらに成立の歴史的背景までを分かりやすく説いた良書。PERTを学ぶ上で、まず最初に読むべき書であると思う。
1965年の出版でありながら、今我々に必要とされるものとほとんど変わらぬ問題意識(プロジェクトマネジメントの必要性に対するアツい思いなど)を掲げていることから、あまり古さを感じさせない。ただ、妙に感傷的(文学的?)な記述が時折入ってくる部分は、好き嫌いが分かれるかも(でもそれは本書のテーマを把握する上ではまったく障害にならない)。あと、コンピューターに関する記述だけは、さすがに古さを感じさせるかな。でもこれもPERTを学ぶ上での障害にはならない。
ただ、本書の記述はAOA(Activity on Arrow)が中心。現在のプロジェクトマネジメントツールにおいて主流となっているらしいAON(Activity on Node)に本書の内容を敷衍すると、たとえばクリティカルパスの計算方法がどう修正されるのか(あるいは、されないのか)、これは別途フォローアップが必要そうだ。
ともかくもPERT図をすぐに使える、使いたくなる気持ちを起こさせる実践的な書であることは間違いない。僕も自分のプロジェクトのマネジメントに早速取り入れないと・・・。ただ、IT系の開発にこれまで非常に多く関わってきて、ネットワーク図(PERT図)を描くPMには会ったことがない。なんで?こんなにも必要性が明らかであるのに。しかも、PMBOKにも主要なツールとして明記されているわけだし。
これがつまり、僕らがKKD(勘・経験・度胸)に頼りきったいい加減なマネジメントをしてきた証左なのであろうか。