飲んだくれの記

方向音痴で熱しやすく冷めやすい、酒とラーメンの大好きなポンコツが綴る徒然の記。

つぐない 鑑賞

つぐない [DVD]

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今年観た中で一番の映画。大号泣。原作を読んで筋は全部知っているのに・・・


重厚にして、残酷。原作の「贖罪」に忠実。大きな違いは、ブライオニー晩年の表現くらいか。このラストは、映画の方がはるかに分かりやすい。


タイプライターの音などの効果音と巧みにシンクロした音楽が素晴らしい*1。歴史ある、しかし閉塞感あふれるイギリスの重々しい屋敷を中心とした美術も、俊逸。ブライオニーをはじめとする、細身で病的な登場人物の配役もピッタリ。ストーリーの完成度は原作同様、言うまでもなし。巧みに時間軸をずらしつつ、同じ場面を違う角度から見せる演出が実に効果的。
そして、最強の貧乳女優、キーラ・ナイトレイの美しさ。薄幸そうなイケメン、ジェームズ・マカヴォイの表情のうまさ。
何一つ悪いことが思いつかない。


ところでこの映画、売れたの?人、入らなそうだなぁ・・・


当分の間、僕はこの映画を会う人会う人に勧めまくることでしょう。


イアン・マキューアンの原作はこちら。言うまでもなく、こちらも大傑作。是非とも、読んで欲しい。
贖罪〈上〉 (新潮文庫)
贖罪 下巻 (2) (新潮文庫 マ 28-4)

*1:後でみたら、アカデミー賞で音楽賞を受賞しているらしい