飲んだくれの記

方向音痴で熱しやすく冷めやすい、酒とラーメンの大好きなポンコツが綴る徒然の記。

攻殻機動隊2.0 鑑賞

新宿ミラノのレイトショーで攻殻2.0を観てきました。20時開始のところ、チケット販売開始は19時15分。19時点で数十人の人がいたのにビックリしたよ。客層は・・・アレだな、ソレっぽい人が多かったような気はします。


パンフレットは1,500円。迷わず買いましたが、半分は13年前の劇場公開時のパンフの再現。あと半分が今回の分。前回の劇場パンフ、持ってる俺としては、いまひとつお得感が無いのだが・・・。まぁ、すでにこんな映画を劇場で観ようという時点でかなりの好事家なのだ、毒を食らわば皿まで、か。


さて期待に胸をパンパンに膨らませて観た本作であるが・・・


正直、微妙。


好きで好きで好きで好きで(x10)たまらないこの作品について、こんな感想を書きたくないのだが・・・でも、微妙。


一部とはいえ、新たに置き換えられた3Dアニメーション。さほど必然性を感じず。セルとのギャップがときに、強烈すぎる(たとえば潜水シーンなど)。置き換えられたオープニングのスタッフロールも、オリジナルの(マトリックスにパクられた)アレの方がずっと好きだなあ。


榊原良子さんによる人形つかい。抑えに抑えた語り口は、すこしわざとらしくないだろうか。ことによると、もっともっとセリフを女声にあわせて大胆に変えたほうがよくなかったか。たしかに人形使いを「彼」から「彼女」に置き換える発想は、素敵だと思う。バトーが嫉妬する男と女の物語の側面が抑えられたことで、「融合」がより普遍的な意味合いを帯びたためだ。しかし、このセリフのままそれを表現するのは、ちょっとつらい。もしかすると、榊原さんは家弓さんの人形つかいを意識しすぎたのではないか。しかしあの家弓さんの天から降ってくるような声によって醸される雰囲気を真似しようったって、そりゃ無理だ。もっともっと伸びやかでしなやかな榊原人形つかいを聴きたかった。


新たなアフレコ。草薙少佐の声がすでに田中敦子さん以外に考えられないことは言うまでもないが、オリジナルの硬質な(緊張した?)語りに比べてやや慣れとリラックス感が感じられる本作は、ややくだけすぎの印象あり。やわらかい語り口は、草薙の激しくも冷徹な性格に対する印象も変えかねない。ときとして、セリフが聞き取りにくいように感じた部分も。これに対して、大塚明夫さんのバトーはオリジナルと変わらぬ安定感。満点。


ただ、こうした印象も所詮、オリジナルのセリフ、リズムが全部身体の中に叩き込まれてしまっているために感じる違和感に過ぎないかもしれない、ということは認めておく。なんども今回の版を観返す機会が訪れれば、こうしたオリジナル至上主義的な感想は覆される可能性がある。


今回特によかったのは、音響。
前はなかったSEがやたらに増えていた。時としてそれはうるささすら感じるほどだったが、感知される音源の位置がよりくっきりと明確になり、ものすごい広がりが感じられるものとなっていた。


今回は仕事帰りに新宿まで足を伸ばさねばならなかったが、19日からは職場のある渋谷でも上映される模様(渋谷TOEI2にて)。もう一回観てみようかなぁ?


そうそう、予告編で「スカイ・クロラ」を観た。身が震えた。傑作の予感。