飲んだくれの記

方向音痴で熱しやすく冷めやすい、酒とラーメンの大好きなポンコツが綴る徒然の記。

ハローサマー、グッドバイ 読了

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)


傑作だー!!!


1975年の作品の訳し下ろし。グレッグ・イーガンの翻訳を手がける山岸真氏によるものだから、面白くないはずがない、と書店で手に取ったこの本。「SF史上屈指の青春恋愛小説」の煽りは、あながち嘘ではなかった。


舞台は地球によく似た惑星。登場人物たちは、人間ではないが、人間型をし、感情の動きも人間そっくりだ。文明の発達度は19世紀末頃の設定。そこで描かれる、一生忘れえぬ夏の物語。

夏休暇をすごすため、政府高官の息子ドローヴは港町パラークシを訪れ、宿屋の少女ブラウンアイズと念願の再会をはたす。粘流が到来し、戦争の影がしだいに町を覆いゆくなか、愛を深める少年と少女。だが壮大な機密計画がふたりを分かつ・・・・・・少年の忘れえぬひと夏を描いた、SF史上屈指の青春恋愛小説、待望の完全新訳版。


強烈に甘酸っぱい二人の愛にやられ、その二人が巻き込まれる試練に固唾を呑み、そして最後の○ページの大どんでん返しにひっくり返る。


素晴らしい娯楽作だ。こんなのが今まで手に入りにくかったなんて・・・!


同じ作者、マイクル・コーニィ作品の翻訳がもっと出てくれることを期待します。