飲んだくれの記

方向音痴で熱しやすく冷めやすい、酒とラーメンの大好きなポンコツが綴る徒然の記。

指揮官の決断 八甲田山死の雪中行軍に学ぶリーダーシップ

明治35年1月、日露戦争を目前にひかえて行われた2つの部隊による八甲田山雪中行軍。弘前歩兵第31連帯は38名全員生還したのに対し、青森歩兵第5連帯は210名中199名死亡という山岳史上最悪の悲劇をもたらす結果に終わった。ほぼ同じタイミングで、同じルートをたどろうとしたにもかかわらずだ。


この本は、映画や小説の題材ともなったこの史実をもとに、青森隊と弘前隊、それぞれの指揮官に焦点をあてつつ、何がその違いをもたらしたのを探らんとするものである。


ちょうどリーダーシップの研修を受けたばかりだったので、それをテーマとした本が目に飛び込んできやすかったのだろう。書店に並んでいたこの本を手に取ったのは偶然ではあるまい。


筆者は生還した弘前部隊の指揮官、福島大尉を英雄視しており、ややバイアスがかった表現も多いように見受けられる。が、一体この冬、八甲田山で何が起こったのか、なぜそうなったのか、の疑問に応える、非常に読みやすい本になっているように思う。買った翌日には一気に読み終えてしまった。


しばらく僕の中で八甲田山ブームとなりそう。次のターゲットは、小説と映画だ。

八甲田山死の彷徨 (新潮文庫)

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八甲田山 特別愛蔵版 [DVD]

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