読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

飲んだくれの記

方向音痴で熱しやすく冷めやすい、酒とラーメンの大好きなポンコツが綴る徒然の記。

大豊作!

今年最後のネットカフェ。
今日はいい作品に出会えて、本当に充実していた。



シグルイ奥義秘伝書 (チャンピオンREDコミックス)



賭博堕天録カイジ(12) (ヤンマガKCスペシャル)



覚悟のススメ 1 (チャンピオンREDコミックス)
覚悟のススメ 2 (チャンピオンREDコミックス)
覚悟のススメ 3 (チャンピオンREDコミックス)
覚悟のススメ 4 (チャンピオンREDコミックス)
覚悟のススメ 5 (チャンピオンREDコミックス)



素晴らしい世界 (1) (サンデーGXコミックス)
素晴らしい世界 (2) (サンデーGXコミックス)


シグルイ奥義秘伝書」は、現在9巻まで出ている「シグルイ」の解説書。人気のある長寿漫画には、こういう本、よく出るよね。作中のキャラクターや技、数々の勝負を簡潔にまとめており、ストーリーの復習にはもってこい。舞台となった江戸時代初頭の歴史解説や、数々の実在の剣豪のプロフィールなどにも触れており、ファンにはなかなかに楽しめる本だと思う。
巻末近くの山口貴由先生のインタビューの硬派ぶり、冷めた頭脳に熱い魂ぶりが非常にイイ!福本伸行先生も、こんな印象ではなかろうか?


で、その福本先生の最新刊、「賭博堕天録カイジ 12」。イカサマ社長との麻雀勝負もいよいよクライマックス。社長のほとんど全財産を賭けた最後の一本勝負に臨むカイジ。追い詰められてなお、敵はあらゆる汚い手を用いて必勝を図る。本人も気づかぬうちに絶体絶命の窮地に追い詰められたカイジは、今度はどのような奇跡を起こすのか?いや、そもそも今回は本当に生還できるのだろうか?
その帰趨はしかし、次巻以降に持ち越されてしまいました。


本日の大収穫その1、「覚悟のススメ」。「シグルイ」の山口貴由先生の初期の作品。
10年以上前にネットで知り合ったオタクの友人が当時連載中のこれを熱狂的に勧めていたのを思い出して、手にとってみた。軽い気持ちで。それが読み始めたらもうとまらない。一気にむさぼり読むことに。
シグルイに見せる圧倒的な画力は、すでにデビュー作でほとんど完成されていたことがよくわかる。「覚悟完了」などの硬質かつ印象的な四文字熟語を多用した語感のよい舞台演劇調のセリフのかっこよさ、内臓感覚溢れる怪物の造形の異様さ、外骨格などの兵器デザインの抜群なセンス、友情・愛・勝利といった少年漫画の王道を行くストーリーと構成力、主人公とライバルを中心としたキャラクターの魅力(この辺はシグルイにも通ずる)、そして忘れてはならない、全編に溢れるユーモアセンス。
いやー、完全に、やられました。ずっと気にしつつもこれを手に取ってこなかった自分の慧眼の無さに呆れます。山口先生は、間違いなく僕のフェイバリットの一人です、今や。
それにしても名言多すぎ。これもまた福本先生に通ずるところ。
「当方に迎撃の用意あり」
雑草などという草はない」
「負けることが恥ではない!戦わぬことが恥なのだ!」
しびれるなー


本日の大収穫その2、「素晴らしい世界」。
マイミクさんの日記でこの作品紹介を目にするまで、まったくこの作品のことを知らなかった。知ってのちは、ずっと読みたい読みたいと探してきたんだけど、その後行ったネットカフェには置いてなかったんだよね。でも、自宅近くのここで、やっと見つけた。このタイトルが目に入ったときは、嬉しくてちょい小躍りしそうになったよ。
果たしてこの作品もまた(うすうす期待していたとおり)、ツボにハマりまくるものだった。
いじめ、あきらめきれないかつての夢、息詰まるような閉塞感、不倫の末の妊娠、など様々な悩みをかかえる人々があるときは救いを見出し、あるときは絶望し、あるいは悩みを飲み込んでまた次の一歩を踏み出す、その様子を淡々と描いた短編集。特徴的なのは、異なる短編に登場するキャラクター同士が、何らかの形で結びつきを持っていることだ。(ある短編の主役が、別の短編の主役の姉であったり、彼氏・彼女であったり、学校の先生だったり・・・)それによって、キャラクターの存在感にグッと深みが増しているし、世界観に立体性を持たせることにも成功している。
様々な世代の苦悩をとりあげているけれども、やはり一番共感したのは、浪人生〜新社会人あたりの得たいのしれない不安や閉塞感の表現だろうか。僕自身が、こうしたネガティブな感情に全面的に支配されていたからね、かつては・・・。
連載開始から計画していたのであろうか?なかなかに見事な全体構成で、キッチリとこの世界に対する希望を感じさせる終わり方になっているのがまた、素敵であり、作者の良心を感じる部分でもあった。時間が経ったらまた読み返したい、そんな作品。
読んでいて思い出したのは、昔僕が大好きだった、よしもとよしとも先生の作品。彼の「青い車」という大傑作に似たテイスト*1。青春期特有の心の不安定さ、残酷さ、愚かしさ。こうした感情を実にうまく切り取る、この手の作品にイタく共感してしまうのは、いまだ自分がオトナになりきれていない証拠なのであろうか・・・?

青い車 (CUE COMICS)

青い車 (CUE COMICS)


でもね、こういう感情に共感できなくなるくらいなら、ボクはオトナになれなくてもいいよ。もっとも、自分自身がそうした不安定な感情に身を委ねることは、金輪際ないけどね。

*1:よしもとよしとも珠玉短編集」も素晴らしかった