飲んだくれの記

方向音痴で熱しやすく冷めやすい、酒とラーメンの大好きなポンコツが綴る徒然の記。

第三級アマチュア無線技士国家試験 合格体験記

久々の書き込みです。全国10人くらいの読者のみなさん、こんにちわ。


今日は第三級アマチュア無線技士の国家試験を受けてきました。
無事合格しましたので、そのレポートをしたいと思います。


【第三級アマチュア無線技士とは】
いわゆる3アマ。4つあるアマチュア無線技士国家資格のうち、簡単な方から2つめ。
昔、電信級アマチュア無線技士と呼ばれたことからも分かるように、この資格を取ると、モールス符号を用いた無線電信が許される。最大空中線電力は50W。


【きっかけ】
直接のきっかけは、一月ほど前にたまたま書店で見つけた、雑誌CQ ham radio
小学生の時分にラジオ製作への興味が高じて電話級アマチュア無線技士(今の4アマ)の免許を取ったものの、結局一度も電波を出すことないままに、やがて免許状を失効させてしまったことを思い出した。
懐かしさに雑誌を買って読んでみると、久しく忘れていた強烈なワクワク感がよみがえる。
これなら一生の趣味として付き合っていけるのではないか?実際、雑誌記事によれば、最近になって数十年ぶりにハムを復活させるOMさんたちも多いという。以前書いたBCL同様、こちらもまた、じわじわとキてるのだ!(たぶん)
ならば僕ももう一度、チャレンジしてみたい。
でも、どうせ無線機を買うなら、移動局に許される最大の空中線電力である、50W出力が可能なヤツにしたくないか?(今の僕の免許では、10Wまでしか駄目)
ならば、今持っているよりも上、3アマ以上を取ってやろうじゃないか。


…ま、そんな風にまた思い付きで、受験を決めたのでした。


【試験申込】
ところが。そう決意した日、直近の3アマ試験申し込み期間は終了していたのです。でもそのさらに上級の2アマだったら、申し込み期間内。直情型な僕は、ならば2アマにチャレンジしようじゃないか、と、その日のうちにネットから申し込んでしまいました(財団法人 日本無線協会のページからオンライン申し込みできます)。ご丁寧に、翌日には受験料まで振り込んで。
しかし、受験料を支払った翌日に気づく。国家試験案内をよーく読むと、東京会場のみ、8月を除く毎月第三日曜日に、3アマ4アマを対象とした当日受付試験を開催しているというじゃないですか!オーマイガッ!焦って難しい2アマを申し込むんじゃなかった。
だがまぁ、気づいてしまった以上、この手軽な「当日申込試験」を受けない手はない、というわけで、11月18日の受験を期して、その日のうちに、今度は3アマの過去問&解説集をAmazonで申し込んだのでした。


【準備】
買った参考書(過去問と解説)は、かの有名な、要点マスター。これ一冊のみ。
第3級ハム国試 要点マスター〈’07〉


薄いし、安いし、記述は分かりやすいし。こんなのすぐ終わるっしょ?って思ってた。僕の持論で、すべての資格試験は3回過去問を解けば絶対に受かる、ってのがある*1。その点、この本なら一月もありゃ、3回はちょろいなーと。

で、ふと気づいたら、半分も読まないうちに、一週間前。うわー。無計画の極み*2。以後はできるだけ毎日、通勤電車で要点マスターを、読む。法規はなんとか、一通り読んだ。でも、無線工学は「電子回路」まで。全体の2割程度。そしてそんなときに限って続く、3日連続呑みで終電 or ネットカフェ or 野宿(!)の生活*3。あっという間に、ありゃありゃ、試験前日だ。

とりあえず前日は、試験準備にあてる。
まず、合格したときに必要な、住民票の写しを役所に取りにいった。受験に必要な写真も、撮りに行った。でも最後に喫茶店に行って勉強しようと思ったら、居眠りしてしまった。

そして迎えた、前日の夜。無線工学の「送信機」〜「測定」まで、読む。今しかない、と必死に、読む。でもここ数日のめちゃくちゃな生活がたたって、やっぱり眠くて仕方ない。ウトウトしてる僕に、無情にも朝がやってくる。それでも睡魔との闘いに七転八倒しつつ、朝10時頃、なんとか最後まで「読んだ」。間違っても、「理解した」とは言えない。絵に描いたような一夜漬け。


【試験当日】
ひんやりしてたけど、素晴らしい好天。でも僕の心は、どんより。受験するかどうか、悩んだ。ものすごく、悩んだ。試験開始が13時のところ、10時半まで、悩んだ。逃げたかった。だって、ヘタすりゃ受験料(5,200円)と時間をドブに捨てるようなもんだもの。
それでも最後の最後に、腹を決めた。「逃げちゃダメだ」(シンジ風に)。
昔の僕なら、逃げてた。でも、いろんな自己啓発書すっかり毒された大いに学んだ僕はもう、そんなことはしない。


合格に向けて、最後の、そして唯一の復習に賭けることにした。今から試験開始までの間に、全問題を片っ端からハイスピードで解きなおすのだ。そして分かるものは○、分からないものは×を問題番号のところにマークしていく。分からない問題だけ、解説をサラリと読み直して、正答を確認する。そして全問題を通したあとに、×のついたところだけをまた最初っから見直す、という戦略だ。
いやー、真剣にやったね。移動の電車内が暑くて猛烈に眠かったけど。
しかし何にびっくりしたって、この時点で電子回路の各種公式をほとんど忘れていたことだ。あぶねーあぶねー。復習して、よかったー!!!
あとはもう、ひたすら、時間との戦い。果たして、最後まで一通り問題を解くことができたのは、試験開始15分前(!)。残念ながら、最後にもう一度「また最初っから見直す」時間は、なかった。
でもこの集中的な詰め込みのおかげで、この段階で、僕の頭には大量の過去問がほとんどそのまんまコピーされたような状態になっていたのだった。



晴海の試験会場(日本無線協会本部)


【試験】
試験15分前。要点マスターをカバンにしまって、周りを見渡す。試験官は、申し込み受付をしていた方々もそうだったのだが、お年を召したシニアな方々ばかり。受験生は、あとで考えると、80人前後だったかな。
受験生の中には、下はどうみても5歳くらいのお子様(!)から、上はかなりお年を召した方まで、と老若男女さまざまでした(もっとも、9割方男性でしたが)。

やがて配られる、試験問題。見た瞬間、「勝った」と思った。全部分かる。全部、要点マスターに載ってた。


結局回答するためにやったことは、頭の中身を出しただけ。所要時間、9分。それに対して、試験時間は70分。退出可能なのは、試験開始30分後。ふとみると、例のお子様も、早く解き終わったらしく、暇そうにしてる。
いくつか自信のない回答もあったけど、いまさら考えても分からないし、たとえこいつらを捨てても、合格基準達成は楽だろう。形ばかり何回か見直して、30分経過後、同じくさっさと退出する多くの受験生たちとともに、会場をあとにした。



試験会場の周りは、こんな感じ。いかにもウォーターフロント、な印象。


【合格発表】
合格発表は、同じ会場で、試験終了1時間後。近くのファミレスで自己採点した結果は、法規16問中14問正解、無線工学14問全問正解。こりゃ、受験番号を書き間違えてない限り、大丈夫だ。


3時過ぎ。果たして会場に戻ってくると、合格者発表掲示板の前は、会場の狭さもあって、すごい人だかり!立錐の余地もない。やっとの思いで掲示板に近付き、僕の番号(6001120)を探すと・・・ありました!



若い人たちが写メしてるのを真似て、僕もパチリ。人数と番号から推測するに、合格率8割くらい?


うれしいというより、ホッとしました。逃げなくてよかったー。


あとはその場で、免許申請です。ここで申し込むってことは、日本無線協会に手数料350円を支払って、取次ぎをお願いするってことらしい。もちろん別途自分で申し込むこともできるけれども、350円だったら、払っちゃったほうが楽だし早いし。いいと思う。
ただ、この会場での免許申請のために必要な記入項目が何であるのかが、ちょっと、わかりにくかったです。もっとも、係員の方々にお尋ねすると、親切に教えてくださいましたが。
そうそう、住所を証明する書類なんだけど、住民票の写しじゃなくても、免許証のコピーでよかったみたい。失敗した。住民票の写し代300円と役所まで行く手間、損した。


【振り返って】
3アマの試験対策は、要点マスターで十分じゃないかと。ただし、勉強は早い時期から計画的に。(お前が言うな)



心地よい疲れとともに、眺めた夕陽。


とまぁ、究極にいい加減な勉強法のレポートで済みません。でも過程はどうあれ、資格は資格。受かってしまえばこっちのもの。あとは自己研鑽の世界です。


さぁ、免許証届いたら、アキバで無線機買うぞー。何買おうかな。楽しみだな。あと、2アマもダメ元で受けなきゃな…

*1:といいつつ、僕は一度も過去問を3回も繰り返し解けたためしがない。タイムアップで、その前に受かってしまうのだ

*2:まぁ、いつものことだ

*3:始発で帰って、風呂入って、ちゃんと9時には出社してますよ、念のため・・・