飲んだくれの記

方向音痴で熱しやすく冷めやすい、酒とラーメンの大好きなポンコツが綴る徒然の記。

ルバイヤート 読了

11世紀のペルシアの詩人オマル・ハイヤームの四行詩(ルバイヤート)を集めた詩集。

ルバイヤート (岩波文庫 赤 783-1)

ルバイヤート (岩波文庫 赤 783-1)

人生のはかなさ、生きる悩み、生の喜びなどを端的に詠う。その中には、イスラムをはじめとする宗教的権威、学識的権威などに対する批判も見てとれる。
基調にあるのは、自由で奔放な心。ゆったりとした気持ちで共感しつつ、堪能した。


いくつか気に入ったものを。

もともと無理やりつれ出された世界なんだ、
生きてなやみのほか得るところ何があった?
今は、何のために来り住みそして去るのやら
わかりもしないで、しぶしぶ世を去るのだ!

天国にはそんなに美しい天女がいるのか?
酒の泉や蜜の池があふれてるというのか?
この世の恋と美酒を選んだわれらに、
天国もやっぱりそんなものにすぎないのか?

世の中が思いのままに動いたとてなんになろう?
命の書を読みつくしたとてなんになろう?
心のままに百年生きていたとて、
更に百年を生きていたとてなんになろう?

酒をのめ、それこそ永遠の生命だ、
また青春の唯一の効果だ。
花と酒、君も浮かれる春の季節に、
たのしめ一瞬を、それこそ真の人生だ!


イスラム多様性と懐の深さを感じると同時に、「イスラム的なもの」をプロトタイプとして捉えて、色眼鏡で判断することの危険性に、改めて思いをいたしたのであった。