飲んだくれの記

方向音痴で熱しやすく冷めやすい、酒とラーメンの大好きなポンコツが綴る徒然の記。

父親たちの星条旗 鑑賞

昨年暮れに劇場で観た本作を、DVDで再鑑賞。


父親たちの星条旗 期間限定版 [DVD]

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劇場鑑賞時には激しく心揺すぶられた戦闘シーンは、自宅の小さなテレビでは、その迫力を半減させてしまっていた。しかしその反面、繰り返されるフラッシュバックによる回想シーンからなる複雑なシーンの再構成に集中してみることができたように思う。


問題の「代わりの」国旗掲揚シーンが、実にあっさりと、しかし周到に描かれているのが実に巧みだ。彼らは後に英雄として祭り上げられるが、しかしその世間から賞賛された行為が、実に当たり前の作業であったことを雄弁に表現している。


誰一人として戦争反対を叫ぶわけではないのに、すべてを狂わせる戦争に対する憎しみを静かに確実に語るこれは、間違いなく優れた反戦映画だ。


ラストは、わけもなく涙がこぼれた。幸せだったあの一瞬。その切り取り方の見事なこと。


やはりこれは、誰にも彼にも観てもらいたい傑作だ。改めて、そう思う。