永遠の仔 読了

永遠の仔〈上〉

永遠の仔〈下〉

何故か実家のお袋が猛烈に勧めるので、読んだ。

やー、とにかく読んでてつらかった。心が、痛い。

幼児虐待を軸に、大人になりきれない子供たちが傷つき傷つけあい、ときに救いを得ながら必死にもがきながら生きる（ときに死んでいく）物語。

された者がまた他の人に繰り返す、この虐待の連鎖から逃れることは、かくも難しいことなんでしょうか。正直、僕には分からないのだ。共感したいのだが、精一杯想像力を駆使するしかない。

小学生である主人公たちの、妙に冷めた達観と、他者を語る時の気持ちの悪いほど大人びた洞察には嫌悪すら覚えるが、それも彼らの境遇がそうさせたということなんだろうか。しかしそうした嫌悪感も、坂道を転げ落ちるような物語展開の前に霧消してしまったのだけれども。