飲んだくれの記

方向音痴で熱しやすく冷めやすい、酒とラーメンの大好きなポンコツが綴る徒然の記。

最近読んだ漫画

つーわけで、ここ10日ほどの間に、読んだ漫画をメモしておこう。



極道一直線 全5巻
結構笑える、バカ漫画。顔は怖いのに中身はまるっきり子供で傍若無人の振る舞いを繰り返すヤクザの親分とその一家(ほとんどバカばかり)の、突拍子も無い行動をネタにしたギャグ漫画。コマのコピーと同じネタを意識的に使いまわす技法が多い。登場人物は何度も死んだり、ヘンなツノを生やしてみたり、サボテンになったりと、とにかく忙しい。地底人なんかも登場したな。そのあたり、クロマティ高校にちょっと似てる。
本編には全く出てこない親分の奥さんと娘がやたらと色っぽく描かれているのも高ポイント(?)。絵はかなりうまい。
ただまぁ、最後はちょっとマンネリ気味で、飽きちゃったかな、正直。



彼女を守る51の方法 第1巻
今、連載中なのかな?尊敬する古屋兎丸先生のパニックサバイバル漫画。
お台場で就職活動中の主人公(男)は、中学の同級生の女の子に偶然再会。そのコは、ゴスロリの服に身を包み、世紀末系バンドの追っかけをやっていた。彼女のおかしな言動に一度は引いた主人公だったが、彼女が当時ひどいいじめに遭っていたこと、一度は思いを寄せていたにも関わらず、自分もまた彼女に何もしてあげなかったことを思い出して、再び声をかける・・・。しかしその直後、未曾有の関東大震災が大発生!お台場は一気に生き地獄と化した。主人公は彼女と生き延びることができるのか。
実際に大震災が起こると起きる現象、被害の状況や、それに対する対処の方法など、ノウハウが多く詰め込まれている。同じタイトルの書籍が元ネタであるようだ。
愛するものを困難な状況の中、勇気と知恵と行動力で守りぬくという王道のストーリー展開が予想される。正直、この作品を描くのが古屋先生である必然性が分からないのだけど(彼はもっとエキセントリックでゾクゾクする漫画を描けるはずだ)、その絵柄は安心してみていられる。続きが出たら、読みたいとは思う。



隣人13号 全3巻

悪意と狂気に満ちた作品。正直キツい。
小学生時代に凄まじいイジメに遭った主人公の十三(じゅうぞう)。10年後、彼は、素の弱気な人格(十三)に加えて、昔の復讐を誓う残虐非道な人格(13号)を併せ持つ多重人格者として、かつてのいじめっ子の前に現れた。そのいじめっ子は、今でもワルの面影を保ちつつも、他方では幸せな家庭を営んでおり、しかも、かつての自分のイジメのことはほとんど忘れていた。しかし十三の怒りと復讐心が収まることはない。彼の狂気の復讐が始まる・・・
自分の前に立ちはだかるものに容赦なく、次々と手をかける13号。そこに共感を感じるのは難しいのだが、その暴走を少しでも抑えようとする十三の葛藤こそがポイントなのかもしれない。
一気に読ませるが、ドッと疲れた。でも麻薬みたいに、また手に取りたくなる可能性あり。



喰いしん坊! 第1巻〜第9巻

今も連載中の作品かな。土山しげる氏の作品に出会えたのが、ここ数日の最大の収穫だった。
これは要は大食い・早食いのフードバトル漫画。しかしこれが、面白い!
早食いと大食いの手法に関するもっともらしいウンチク。大食いに人生の真理があったことに気づかせてくれるような哲学的言辞。冷静に考えるとバカバカしいことを、くそマジメにやりきるこのパワー。そして何より素晴らしいのが、食べるシーンが、本当においしそうなことなのだ。読んでいると、猛烈に腹が減ってくる。実際僕はこれを読んでるとき、晩飯を食った直後だったにも関わらず、カップめんを喰う誘惑に負けてしまった。
続きを早く読みたい!!!



どぶ 全4巻

つーわけで、他の土山しげる氏作品も読んでしまった。
部下に陥れられて会社をクビになった営業マンが、数々の屈辱と挫折の中、風俗産業で底辺からのしあがっていく物語。
最後は「あれ、これで終わり?」な尻切れトンボ感が無いでもないけど、読んでて爽快感を味わえます。面白かった。



七夕の国 全4巻

あの「寄生獣」の作者による伝奇的作品。この人は、異形の者を描くのが本当にうまいね。
ストーリー展開にちょっともどかしさを感じつつも、そこそこ楽しめました。



殺し屋イチ 全10巻

鋭利な刃物を仕込んだクツと、華麗な足技で殺しを繰り返す暗殺者、イチ。暗殺に際していつも泣き出す彼の素顔は、昔も今もイジメられっ子。しかし彼は殺しで性的な絶頂に達するドSでもある。そして彼を操って新宿を浄化しようとする怪しいオヤジ。彼はイチの記憶を操作して巧みに目的を達する。そこに立ちはだかるのが、ドMの冷酷非道そのものの、ヤクザ。お互いの顔も知らぬまま、命を狙いあう、イチとヤクザの異常な愛情。ひたすら繰り返される仁義無き殺し合い。
なんじゃそりゃぁ!?とつぶやきつつも、自分の裡に潜む暴力衝動をザワザワとかきたてられる。行き過ぎな暴力描写も、この漫画だったら、許される。共感できるかは、別として。描かれるのは、暴力、セックス、そして愛。
好きではないが、傑作ではないかと思う。


あと、写真撮ったけど消してしまった。
先生がいっぱい―生徒そっちのけ学園マンガ!! (1) (ビッグコミックス)
先生がいっぱい 全3巻

あの「ショムニ!」の作者による最近の連載、らしい。シンプルな線で、とんでもなく色気のある絵を描くこの方の画力には、ひたすら感嘆。よく人間を見てるなぁと感心する面白ネタ多し。人間離れしていたり、人間ですらない先生たちのやり取りは、しかし極めて人間的だ。残念ながら3巻はテンションが下がっているように思うけれども、いい作品。



漫画をすべて自宅から排除したとき、「読みたくなったら、漫画喫茶に行けばいいから」と思っていた。でも実際には、自分にとって「これは!」と思える漫画が漫画喫茶で見つかることはほとんどなかったし、自分が手離したような漫画を目にすることも、これまたほぼ、ない。これは残念なことだ。
そもそも、星野之宣のサーベルタイガーとか、スターダスト・メモリーズとかがないって、どういうことよ!?