飲んだくれの記

方向音痴で熱しやすく冷めやすい、酒とラーメンの大好きなポンコツが綴る徒然の記。

高い城の男 読了

高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)

高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)

最近「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を再読、改めて感銘を受けたのを契機にもう少しディックを読んでみようと、手に取った。
正直ストーリーそのものは積み上げた伏線をそのままにポンと外に放り出された感があり、何がなにやら。ただ、その過程での丁寧なキャラ描写が印象深い。易経への傾倒がモロにストーリーに反映しており、それが不思議な読後感につながっている。
第二次世界大戦の勝敗が逆転していたら、という場面設定は、その必要性は理解できるが、読む側が取り立ててそこにフォーカスを当てるべき性質のものとは思えない。